横浜家庭裁判所 昭和29年(家)16号 審判 1954年2月09日
本籍 アメリカ合衆国アイダオ州
住所 神奈川県○○郡
申立人 ジエームス・ブラウン(仮名)
本籍並に住所 北海道○○市
相手方 山田美子(仮名)
本籍 北海道○○市
住所 神奈川県○○郡
事件本人 山田・ジヨージ(仮名)
主文
申立人の申立は相当の理由ありと認め
事件本人山田・ジヨージの親権者を父であるジエームス・ブラウンに指定する。
事件の実情
1、右未成年者は申立人と相手方との間に昭和二五年○○月○日出生した男子である。
2、申立人と相手方とは昭和二七年○月○日協議により申立人を右未成年者の親権者と定めその養育一切を申立人に託し相手方はその旨の宣誓書を米軍公証人資格者法務大尉○○○○○○○立会の下に作成した上申立人と別居し未成年者は申立人の手許で同人の子として養育されている。
3、申立人は以上の事実は子の認知並親権者指定の効力を生ずるに十分であると思つたのであるがその後日本の法律によると認知の戸籍届出をした上更に親権者指定の戸籍届出(戸籍法第七八条)をしなければならないことを聞知したので昭和二八年○月○○日右未成年者の認知戸籍届出を了し更に民法第八一九条第四項並戸籍法第七八条による親権者指定の届出をしようとしたが相手方は遠方に居て容易に会へず協議も調はぬ儘今日に至つた。然るに申立人は近々本国に帰らなければならないが米軍当局では子供を連れて帰国するには日本の裁判所から親権者指定及姓変更許可の各審判を得なければならないと要請されている。そこで茲に先ず民法第八一九条第五項に基き親権者指定の審判を求める次第であります。
4、相手方はその後昭和二八年○月○○日アメリカ合衆国人アシユレ・ウイルクスと結婚しました。
申立人は昭和二七年○○月○○日アメリカ合衆国婦人マアカーレツト・オハラと結婚したが同婦人は同年○○月○○日以来申立人の家庭で本件未成年者の面倒をみて来て居り将来も同未成年者を家庭の一員として受入れてその健康、厚生福祉方面及び道徳教育について夫と責任を分担することを欲しております。